分娩後脱毛症

出産後の女性に多くみられる分娩後脱毛症について、原因・メカニズムと対策を説明します。

分娩後脱毛症とは

東京ビューティークリニック公式

分娩後脱毛は女性が赤ちゃんを出産した後にみられる特有の脱毛症です。普段よりも多く髪の毛が抜けたり、細い髪の毛が増える、頭皮が乾燥するなどの症状が多くみられます。

分娩後脱毛のタイミングとしては、出産から2,3ヶ月後が多いようです。出産直後は何も起こらなかったのに、2,3ヶ月経ってから突然髪の毛が抜け始め、焦りを感じるというケースが少なくありません。

分娩後脱毛症は時間の経過にともなった完治していきますが、期間は半年から一年かかると言われています。

女性の分娩後脱毛症の原因とメカニズム

3つの主な原因

女性ホルモンの変化とエストロゲンの働き

分娩後脱毛症には、妊娠から出産にかけて女性の体内に分泌されるホルモンのバランスが関わっています。

女性の体にはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)がそれぞれ分泌されていますが、妊娠するとこの2種類のホルモンがそれぞれ増えていくのです。

妊娠後期にはホルモンの分泌量が最大となり、そこから出産を経てホルモンのバランスが変化することで、脱毛症を引き起こすと考えられています。

妊娠中に増える2種類の女性ホルモンのうち、卵胞ホルモンであるエストロゲンには、頭髪の成長を促進させる働きがあるのです。

妊娠中はこのホルモンが過剰に分泌されているため、抜け落ちるはずの頭髪がそのまま残り続けるのですが、出産を経ると一気にエストロゲンの分泌が減るため、頭部に残っていた毛髪が脱毛期に入り、一度に抜け落ちます。

つまり、エストロゲンの分泌が多いうちは頭髪は多く、エストロゲンが減ることで一気に脱毛期に入ってしまうために、分娩後脱毛症が引き起こされるのです。

出産・育児のストレス

妊娠中の女性は、出産から育児までを連続して行うため、心身ともにストレスを感じる場合があります。

体力の少ない女性などは特にストレスを感じやすく、育児に不慣れな場合はさらに大きなストレスが加わって、脱毛症が加速するケースも。

生活リズムの乱れ

妊娠中から出産後にかけては、女性の体はホルモンバランスの乱れから栄養不足になりやすいとされています。

そこに睡眠不足や運動不足が加わったり、ある日突然過食に走ったりすることで、さらに体内の栄養バランスが乱れ、ストレスとなって脱毛症に拍車をかけてしまうのです。

メカニズム

分娩後脱毛症は、妊娠初期から出産後にかけてのホルモンバランスの変化によってもたらされるもののほかに、ストレスや生活リズムの乱れなどが関わっています。原因は必ずしも一つではなく、複数の要因が重なっている場合も少なくありません。

多くの場合、女性ホルモンの変化が関わっているとされていますが、心身に多大なストレスがかかるようなケースでは、半年以上の長期にわたって脱毛症が続く可能性もあります。

分娩後脱毛症の期間

分娩後脱毛症は、出産して半年~1年ほどで症状が落ち着きます。出産を終えた後はエストロゲンやプロゲステロンのホルモンバランスが整うため、授乳を終えるころには毛質・毛量が出産前の状態に戻るケースがほとんど。

ただし、分娩後脱毛症が治まっても年齢や体質によって髪の毛が元通りになるタイミングは異なります。新しい髪の毛を生み出す毛母細胞は加齢とともに衰えるため、高齢出産であるほど毛髪の回復が遅くなってしまうのです。

また食べ物や睡眠時間、育児ストレスなども脱毛の原因となるため要注意。症状が悪化すると円形脱毛症を引き起こすことがあるため、規則正しい生活とメンタルバランスを整えることが抜け毛・薄毛改善の大きなポイントです。

分娩後脱毛症の対策

気にしない

分娩後脱毛症は子どもを産んだ際にホルモンバランスが乱れることによって起きるものです。そのため、ホルモンバランスが整えば症状は治まりやすくなります。

症状を改善するには抜け毛を気にしすぎず、ストレスを溜めないことが大切です。就寝前や家事の合間などに10分ほど自分の時間を設け、育児や抜け毛へのストレスと上手に向き合いましょう。

栄養を摂る

丈夫な髪の毛を育てるため、食事の栄養バランスを意識しましょう。髪の毛の主成分は、「ケラチン」と呼ばれるたんぱく質です。高たんぱくの魚や肉、大豆などを積極的に摂ることで、髪が丈夫になっていきます。また発毛を促す成分であるビタミンB群や葉酸、亜鉛などを併せて摂るのもおすすめ。子育てをしていると、自身の食事を後回しにしてしまいがちです。どうしても食事を摂る時間が十分に確保できない場合は、サプリメントで栄養素を補いましょう。

睡眠を取る

脱毛症改善には睡眠をよく取るのが有効です。就寝時は成長ホルモンが頭皮や毛母細胞に届き、傷んだ部分を修復します。育児に追われて睡眠不足な方は、家族に相談して少しでも長く睡眠時間を確保できるようにしましょう。お子さんと一緒に昼寝をするのもおすすめです。

アミノ酸シャンプーを使う

出産後は頭皮が敏感になっているため、出産前と同じシャンプーや化粧品が合わなくなることがあります。合わないシャンプーや洗浄力の強いシャンプーを使い続けると、抜け毛だけでなくフケやかゆみなどのトラブルを起こすことも。アミノ酸シャンプーは穏やかな洗浄力で頭皮の皮脂を保ちつつ、汚れをきちんと落としてくれるのでおすすめです。肌に優しい成分で構成された商品を選びましょう。

女性用の育毛剤を使う

女性向けに設計された育毛剤を使うのも、脱毛を改善させるひとつの方法です。女性の脱毛症は男性と異なる原因で起こるものなので、市販で販売されている男性向けの育毛剤を使っても効果が出ないケースがあります。消炎作用のあるグリチルリチン酸ジカリウムや、頭皮環境を整える効果のあるセンブリなどを配合した育毛剤であれば、女性特有の脱毛症に効果的です。

専門クリニックに行く

もし産後から1年経っても分娩後脱毛症が改善できない場合は、1人で悩まず女性の薄毛専門クリニックに相談しましょう。クリニックでは効果の高い治療を提供しているだけでなく、薄毛に悩む患者のメンタルサポートにも対応しています。それぞれの患者の悩みや症状に合わせて適切なアドバイスをしてくれるので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

分娩後脱毛症は、出産から育児を経てホルモンバランスが安定してくれば自然に治癒していきます。

ただし、ストレスが継続的にかかり続けるような場合には、脱毛症が長引くおそれもありますので、ストレスレベルを下げるように注意し、生活リズムを乱さないよう注意したいところです。

新しい髪の毛の合成には、ビタミンなどをはじめとする良質な栄養素の摂取が必要不可欠です。髪に必要なビタミン・ミネラル・タンパク質などを中心に、バランスのとれた食生活を心掛けていきましょう。

脱毛症はストレスによって悪化してしまいますので、疲れた時は十分に休息を取るようにして、万が一抜け毛や薄毛が長引いても気にしすぎないように工夫することが大切です。

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