円形脱毛症

女性の円形脱毛症について、原因とメカニズム、対策を説明します。

円形脱毛症とは

女性の薄毛

円形脱毛症とは、頭髪に突然円形または楕円形の脱毛が起こる症状のことを言います。

これは、男性や女性、子供や大人などに関わらず、誰にでも発症します。

単発型(コインの形)、多発型(2カ所以上)、蛇行型(帯状)、全頭型(頭部全体)、汎発型(全身)といった形で、大きく5つに分類されます。

原因とメカニズム

自己免疫異常

円形脱毛症の原因について複数ある学説のうち、最も主流と考えられている原因が自己免疫の異常です。自己免疫機能とは、体内に侵入した外敵から身を守る体の働き。通常なら異物のみを攻撃しますが、異常が生じると正常な細胞を異物として認識してしまいます。毛根の細胞を異物だと思い攻撃してしまうことで、円形脱毛症が発症してしまうのです。

間違えて自分の細胞を傷つけてしまうメカニズムはまだ解明されていません。科学的根拠はないですが、これまでに円形脱毛症を発症した人の状態からストレスが原因のひとつと考えられています。

また、発症者の40%以上はアトピー性疾患を持つというデータも。アトピーも自己免疫の異常による疾患のため、何らかの関連があると考えられます。家族や血縁関係者にアトピー要素を持つ人がいると円形脱毛症になりやすい傾向があることから、遺伝的な要素も強いと言えます。

ストレス

自己免疫異常やホルモン異常を引き起こす要素にもなるストレス。とくに精神的ストレスは円形脱毛症を引き起こしてしまうと言われています。

ストレスが発生すると対抗するために身体が交感神経を活発化。心肺機能の動きを早め、体温を上げようとします。ストレスが強すぎたり長期間に渡ったりすると、交感神経に異常が発生。血管を収縮させてしまうため、頭部の血流が悪くなったり毛根への栄養補給が届かなくなったりし、毛が正常に成長しなくなってしまいます。

「人間関係がうまくいっていない」「転職・引越しなどで環境が変化した」「睡眠不足が続いている」という人は要注意。できるだけ休息をとってストレスを軽減するように努めましょう。以前受けたストレスによって遅れて髪に影響が出る場合もあります。

出産によるホルモン変化

出産の前後に女性ホルモンが大きく減少することで、円形脱毛症を引き起こすこともあります。妊娠中は女性ホルモン値が通常の100倍以上増加している状態。それが出産後に一気に正常値まで戻るため大幅な減少が起こります。女性ホルモンには発毛を促進する作用があり、そのホルモンが減ってしまうため毛周期に影響があり抜け毛が増えてしまうというメカニズムです。

ホルモンの減少は誰にでも起こるもので、産後に髪のボリュームが減ってしまうのは自然なこと。「分け目が目立ちやすくなる」「全体的に薄くなる」などさまざまな症状があらわれますが、円形に脱毛するケースもあります。ホルモンの大きな変化が原因のため症状は一時的なものです。半年以内には自然に治るケースが多いため、過度に心配する必要はありません。

女性の円形脱毛症の種類

単発型円形脱毛症

円形脱毛症の中で最も多い種類が単発型。頭髪の1カ所で抜け毛が起きてしまい、円形または楕円形に脱毛するのが特徴です。「10円ハゲ」と言われるのはこのタイプ。単発型の難点は範囲が狭いため普通に生活しているとなかなか気づけない点です。後頭部が脱毛してしまった場合、誰かに指摘されて初めて気づく、ということもあります。頭髪だけでなく、眉毛や体毛にあらわれることも。ほとんどの人が1年以内に治癒すると言われていますが、多発型に移行するケースもあります。

多発型円形脱毛症

円形脱毛斑が2つ以上発生しているタイプが多発型です。単発型の円形脱毛がいくつも発生している状態で、単発型の症状が悪化すると多発型に進行していきます。症状がやや重いため、完治までには半年から2年ほどかかることがほとんど。

さらに症状が悪化すると複数の脱毛斑が結合し、薄毛部分が拡大してしまう場合もあります(多発融合型)。

蛇行型脱毛症

脱毛斑が細長く結合し、後頭部から側頭部の生え際に沿って脱毛するタイプです。多発型円形脱毛症が結合して薄毛が広がっていくことで発症。脱毛箇所が蛇のように広がっていることから、「蛇行型」と呼ばれています。円形脱毛症の中でも珍しい症状で単発型や多発型に比べ治療期間が長く、複数年に渡ることがほとんどです。

全頭脱毛症

全頭脱毛症とは脱毛斑が頭部全体に広がり、頭髪が完全に抜け落ちてしまっている状態です。単発型、多発型と悪化してきてさらに症状が進行してしまったタイプ。女性にとってはかなり深刻な状態で、ここまで進行してしまうと改善までには時間が必要となります。治療してもなかなか回復しなかったり、一時的に改善しても再発するなど、治療期間は長期に渡ります。塗り薬や局所注射による治療に加え、ウィッグを使用してうまく脱毛症と付き合っていく必要があるでしょう。

汎発性脱毛症

全頭脱毛症よりも進行した状態です。頭髪だけでなく、眉毛やまつ毛、体毛など全身の毛が抜け落ちてしまいます。その症状から「全身脱毛症」と呼ばれることもあり、円形脱毛症の中でも最も症状が重度なタイプです。

最初はちょっとした薄毛だと思っていたのにどんどん悪化して全身の毛に影響が出てしまうこともあるので、早めの相談が大切。

眉毛やまつ毛が抜けてしまうと、顔の印象が変わってしまうため女性にとっては大問題。全頭型と同様に治療が長期に渡るため、継続した治療とウィッグを使用して脱毛症と付き合う工夫をしていきましょう。

なりやすい女性のタイプ・日常の行動

女性の薄毛

髪の毛を強く縛る

髪を結ぶときにきっちり強く縛る人は、円形脱毛症になりやすい傾向があります。髪の毛を引っ張っているときは、同時に頭皮も引っ張っている状態。毛根や頭皮を傷つけてしまい、血行不良になって育毛のサイクルが崩れてしまいます。血行不良になると発毛に必要な栄養素が届かなくなってしまうため、結んでいる部分が脱毛してしまうのです。毎日ポニーテールやきつめの三つ編みをしている人は注意しましょう。

紫外線対策をしていない

頭皮は体の中で一番太陽に近い部位。最も紫外線のダメージを受けやすく、顔の2倍以上の量を浴びていると言われています。紫外線を多量に浴びてしまうと頭皮が老化し、その強い紫外線ダメージによって皮膚の働きが低下してしまうため脱毛が促進されます。顔や手足のUVケアをしている人は多くいますが、頭皮のケアはおろそかになりがち。通気性のある帽子を被ったり、紫外線防止スプレーを使用したりして対策しましょう。

精神的ストレスが多い環境にいる

ストレスは髪にとって大敵。頭皮環境を悪化させたり自己免疫異常を引き起こしたり、さまざまな症状を誘発させ脱毛を促進させます。「職場の人間関係が悪い」「夜なかなか眠れない」など、大したことはないと思っていたストレスが積もりに積もって円形脱毛症の引き金になってしまうこともあるでしょう。発症すると精神的なショックもあり、周りの目が気になることで余計にストレスを溜めてしまいます。抱え込みすぎず、ストレスを適度に発散できる環境を整えましょう。

ホルモンバランスが乱れやすい

女性ホルモンは自律神経と密接な関係があり、自律神経が乱れると女性ホルモンのバランスも乱れてしまいます。「栄養バランスの悪い食事をしている」「不規則な生活を送りがち」「過度なダイエットをしている」という人は要注意。女性ホルモンの材料となるたんぱく質を積極的に摂取し、毎日決まった時間に布団に入るようにしましょう。とくに40代後半ごろからの「更年期」に入るとホルモンが大きく減少するので、規則正しい生活を心がけるのが大切です。

アトピー持ち

日本皮膚科学会が発行している円形脱毛症診療ガイドライン2010にて、アトピー素因がある人が円形脱毛症を発症しやすいことがわかっています。ガイドライン内には「患者200例のうち本人や家族にアトピー要因がある例が108件(54%)、患者本人に素因がある例が82件(41%)、アトピー性皮膚炎による合併症である例が46件(23%)」とのデータが記載されています。ただ詳しい原因は明らかになっていません。アトピーが自己免疫の異常を引き起こしてしまうためだと考えられています。

円形脱毛症への対策

食事

髪や頭皮に良い「タンパク質」「亜鉛」「ビタミンB群」を食事から摂るのが対策になります。タンパク質は髪をつくりだしている成分になるのでとくに積極的に摂取したい栄養素。肉・魚・卵・大豆などに多く含まれています。亜鉛はタンパク質の合成に必要な栄養素で、赤みの肉・鶏肉・牡蠣・豆類に豊富。ビタミンB群は体の機能を正常に保つ働きがあり、卵や大豆、レバー、かつおなどからの摂取がおすすめです。1日にタンパク質50g、亜鉛8mgの摂取を心がけましょう。

ストレス解消

円形脱毛症を防ぐためにまず解消したいのがストレス。職場や家庭の中でストレスを感じる部分があれば、ストレスの要因と距離を置くのがベストでしょう。難しい場合は、趣味に没頭する時間を増やしたり、ゆっくり入浴・マッサージをしたりして、リラックスできる時間をつくってみてください。円形脱毛症は体からのSOSです。1人で抱え込みすぎず、周りに相談して改善を図りましょう。

生活習慣

生活習慣を整えることは発毛サイクルや免疫機能の正常化につながるため、脱毛症対策で意識したいポイントです。「早寝早起き」「質の高い睡眠」「適度は運動」「節酒・禁煙」など、規則正しく理想的な生活習慣を目指しましょう。発毛を促進するわけではありませんが、体調が整うことで治療の効果が上がり、症状が治りやすくなります

ヘアケア

正しく頭皮をケアすることが脱毛症改善につながります。とくにシャンプーは大切。頭皮に汚れが溜まった状態が続くと頭皮環境が悪化し、毛髪の成長に悪い影響を与えます。1日に1回はしっかり髪を洗い、清潔な状態を保ちましょう。強い刺激を与えると頭皮が傷ついてしまうので、洗うときは「やさしく」がポイント。低刺激性のシャンプーを使って指の腹で揉むように洗ってください。

専門クリニックへ

初めは小さな脱毛斑であっても症状が進んでどんどん範囲が広がってしまうケースがあります。気になる症状や円形脱毛症の疑いがあれば、時間をおかずにすぐ専門の医師に相談しましょう。軽度の症状であればすぐに改善できる可能性があります。知らぬ間に進行してしまうと治療期間が長くなるので早めの相談が大事。生活習慣やストレスへのアプローチも間接的に頭皮環境の改善が図れますが、できるだけ短期間での改善を目指すならやはり専門家に相談するのが一番でしょう。

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